プラスチックからパンをつくる!

廃プラ問題

と聞くと、ゴミ捨て場に埋められたプラスチックを掘り出し、工場で加工してパンを作るという「未来少年コナン」の第3話~第5話を思い出す方も多いと思います。

インダストリアに到着し、パン工場に潜入したコナンが「プラスチックからパンを作っているんだ!」と叫ぶシーンを約40年前に見て、将来こんな世の中が本当に現実になるのかな、と思ったものです。

これはあくまで架空の話ですが、実際にはその一部が既に現実のものとなりつつあると言うと言いすぎでしょうか。

国内の化学会社であるレゾナックは、プラスチックを熱分解して得られる水素からアンモニアを製造しています。

アンモニアは肥料の重要成分であり、約1世紀前に水素と空気中の窒素を原料にした画期的な合成法が開発され、人々の食生活を支えてきました。そのため、「空気からパンを作る技術」として知られており、現在も使用されています。

つまり、プラスチックからアンモニアを作ることは、プラスチックからパンを作ることと同じ、と言えるでしょう。(ちょっと無理があるかもしれません(笑))。

パンを直接作ることはできなくても、この技術はプラスチックのケミカルリサイクルの数少ない成功例です。

海洋プラスチックや海岸に打ち上げられたプラスチック、生ゴミなどと一緒に捨てられたプラスチックを処理することができれば、もはやゴミは資源です。

アンモニアだけでなく、廃プラスチックを含むゴミから化学品を作る研究も盛んに行われており、エタノールやメタノールへの転換が試みられています。エタノールはお酒や食品添加物になる優しい化学品であり、メタノールは化石資源の代替エネルギーや様々な製品の原料として利用されます。

もし実現すれば、それはまさに究極のリサイクルと言えるでしょう。皆がゴミを集めて売るような社会が実現することを期待しています。

タイトルとURLをコピーしました