電気自動車が排出する二酸化炭素

気候変動

電気自動車は「製造時」と「使用時」に二酸化炭素を排出する、という新聞記事です。

電気自動車が「排ガス」 電池製造でCO2、再エネに期待 - 日本経済新聞
電気自動車(EV)は「排ガス」を出さず脱炭素にうってつけの技術に思えるが、死角がある。製造時にガソリン車を上回る二酸化炭...

「製造時」に排出する二酸化炭素は主にはリチウムイオン電池製造時に発生します。EV車には大容量のリチウムイオン電池が搭載されています。電池を構成する部材の一部には金属酸化物が使われており、真っ赤に焼けた高温の電気炉を使って大量の電力を消費しながら製造されるため、電力源として化石資源(石炭、石油、天然ガス)を使ってしまうと二酸化炭素を発生してしまいます。

「使用時」に排出する二酸化炭素は日々の充電時に発生します。EVは充電しなければ動きません。充電する電力として化石資源由来の電力を使うと二酸化炭素を発生するというわけです。

それでもEVの方がガソリン車よりも圧倒的にCO2排出量は少ないと思います。

世界の自動車保有台数は14億台(2018年)。これがすべてガソリン車で、一台あたり年間1万km走行し、燃費10km/Lと仮定すると、ガソリン消費量は14×10^8KL。ガソリンを燃焼させたときに発生する二酸化炭素は2.32㎏/Lなので、二酸化炭素発生量は32億トン/年です。実際はその半分だとしても15億トン/年。

一方で、電気自動車製造時に発生する二酸化炭素排出量は試算難しいですが、粗く計算しても1オーダーは少ない感度。

充電に使う電力は、各家庭の太陽光発電を使う前提であれば二酸化炭素発生量はゼロです。

新聞記事に書かれている指摘はあるものの、EV化への動きを鈍化させる理由にはならないと思います。

 

 

 

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