みなさん、こんにちは! イソップ童話で地球の未来を考えるシリーズです。 今回は、ある橋の上で起きた、一匹の欲張りな犬の、愚かで悲しいお話です。
1. 【おなじみの物語:欲張りな犬】
中務哲郎訳『イソップ寓話集』(岩波文庫)には、こんなお話があります。
あるところに、一匹の犬がいました。 その犬は、肉屋から大きな肉を盗んで、口に咥えて走っていました。 犬は、川に架かる橋を渡っているとき、ふと下の水面を見ました。
すると、水の中にも、自分と同じように肉を咥えた犬がいるではありませんか。 欲張りな犬は思いました。 「おいおい、あっちの犬が持っている肉のほうが、俺の肉よりもずっと大きくて美味しそうじゃないか! あの肉も、俺のものにしてやる!」
犬は、水の中の犬(自分の影)に襲いかかろうとして、大きく口を開けました。 その瞬間、口に咥えていた本物の肉は川に落ち、あっという間に流されてしまいました。 水の中の犬も、咥えていた肉も、波に消えてしまいました。 欲張りな犬は、一度に二つの肉を手に入れるどころか、自分が持っていた本物の肉も、失ってしまったのです。
2. 【もしも現代だったら?:過剰消費という名の「影の肉」】
もし、このお話が今の地球で起きていたらどうなるでしょう?
現代の「犬」は、二酸化炭素(CO2)をたくさん出し続け、今の便利で豊かな暮らしを楽しんでいる、私たち人間かもしれません。 現代の「口に咥えた肉」は、地球が私たちに与えてくれている、**「今ある豊かな自然(森、きれいな空気、きれいな水)」**かもしれません。これらは、私たちが持続可能(咥えている)に使えば、ずっと恩恵(宝物)をくれます。
しかし、現代の「水に映った影の肉」は、私たちが求める、**「さらなる過剰な消費(もっと便利な生活、もっと多くの利益)」**かもしれません。
「もっと便利に! もっと豊かに! 環境問題? CO2? そんな難しいこと、後で考えればいいさ! 『もっと』大きな影の肉(過剰消費)を手に入れるために、今の自然(肉)を犠牲にしても構わない!」
犬と同じように、そう過剰消費を求め、環境を破壊し、CO2を出し続けています(「影の肉に襲いかかろうとして口を開ける」)。 その結果、森は消え、海は汚れ、きれいな空気や水は失われ、一度失われると戻るまで何千年もかかるか、二度と戻らないのです。
3. 【地球からのメッセージ:「もっと」よりも、「今ここにある確実な幸せ」】
このお話が教えてくれる一番大切なことは、**「目先の過剰な欲望(影の肉)のために、今ある確実な幸せ(本物の肉)を犠牲にすると、全てを失う(持続可能性の欠如)」**ということです。
- 口に咥えた肉 = 今ある豊かな自然、確実な幸せ
- 水に映った影の肉 = 過剰な消費欲、不確実な未来の利益
- 川 = 地球の環境システム、気候危機
イソップ童話の犬は、影の肉に襲いかかってから後悔しました。でも、地球の自然は、一度失われると戻らないものがたくさんあります。
「もっと」という欲張りが、一番の破滅を招きます。 未来の子供たちが「豊かな自然(本物の肉)」を楽しめるように。 今からできる「小さな削減(CO2を減らす工夫)」を、みんなで始めていきませんか?