プラスチックリサイクルや使い方について思うこと

廃プラ問題

プラスチックは優れた材料です。安くて、丈夫で長持ち、宝石の如く輝かせることもでき、いろんな形にすることができます。種類も豊富で用途に応じて様々な製品を作ることが可能です。日常品として、高度な電子部品を支える材料として、医療用途として、省エネな材料として、食品を長持ちさせる材料として我々の生活になくてはならない材料になっています。

一方で、プラスチックは使用後の扱いが厄介です。埋め立てると何百年何千年あるは半永久的にそのままゴミとして埋められたままになり、土に戻ることはありません。ポイ捨てされれば道路・河川・海、あらゆるところをゴミだらけにしてしまいます。燃やせばプラスチックの重量の2倍以上の二酸化炭素を排出し温暖化に影響します。

そんなプラスチックをリサイクル使用しようとする活動が広まるのはごく自然なことです。分解洗浄して再使用するリユース、同じ種類の材料(PETとかポリプロピレン)を選別して熱を加えて溶かし別の製品をつくるマテリアルリサイクル、分子レベルでバラバラにして別の化学品を合成するケミカルリサイクル、各社様々な取り組みを行っています。

究極のリサイクル、ケミカルリサイクルが待ち遠しいですが、技術的・経済的に実現が難しく、廃棄プラスチックの4%程度しか実施されていないのが現状です。化学メーカーを中心に様々な取り組みが行われています。世の中のプラスチックすべてがリサイクルされることを期待したいものです。

ところで、リサイクルが進めば今まで通りにプラスチックを使い続けてよいかというと、そんなことはないです。プラスチックの使い方を見直し、無駄な使い方をやめる必要です。

なぜでしょうか?

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理由は、リサイクル品は化石資源品と比べて製造コストがかかるためです。ゴミ収集に必要なコスト、選別に必要なコストがかかります。いったんバラバラにした分子を再結合するのにも大きなエネルギーを伴います。そのため、リサイクル品が普及する世の中では、プラスチックは貴重品になるのだろうと想像します。

そうすると、使い捨てポリ袋や、使い捨てカップ・容器の類に気軽に使うことはできなくなります。使い捨てプラは、海洋プラスチック、マイクロプラスチック問題の主原因ですので、値段が上がってくると気軽に商品化しにくくなる点でも期待しています。

リサイクルされるプラスチックは何に使われるかというと、我々の高度な生活を維持するために最小限必要なものに限定して使われるのだろうと想像します。

たとえば医療機器が頭に浮かびます。コロナ対策用のマスク、ガウン、注射器、手袋などもプラスチック材料です。これらは、我々の命を守る重要な器材ですし、清潔を維持するために使い捨てしてもやむを得ません。

また、旅客機や自動車の軽量部材としてもプラスチックは欠かせません。軽量化することで燃費や電気効率を改善し、省エネルギーに役立つためです。ボーイング787の機体重量の50%以上はプラスチックやカーボン繊維であり、これによって燃費改善しています。

通信機器にも様々なプラスチックが使われています。絶縁性を維持するためにプラスチックでなければならない部材も多いです。プラスチックが使えないと、今使っているパソコンやインターネット、スマホが使えなくなってしまいます。

使い捨てプラを気軽に使えないと不便に感じるかもしれませんが、日本は国民一人当たりのプラスチック使用量がアメリカに次ぐ世界2位であり、そもそも使いすぎです。

プラスチックの使い方を見直し、廃棄量をおさえ、リサイクルも活用して、豊かな生活を維持する世の中を期待します。

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