ダンボールコンポストをやってみようと思っても、どうしてよいかわからなくて困っている人は多いと思います。ここでは私のやり方をご紹介します。
用意するもの
ダンボール(100~120サイズくらい)
小さすぎると生ごみの処理量が少ないし、大きすぎると扱いにくいです。私は100~120サイズ、つまり、たて×よこ×高さの合計が100㎝や120㎝以下のものを使っています。スーパーの空き箱置き場でもらってくることもできるし、ホームセンターで200~300円で購入することもできます。
厚手の方が耐久性がありますが、使っていくうちに紙が破れて穴があきますので、数か月に一度は交換が必要です。消耗品と割り切れば、厚みはさほど気になりません。
ガムテープや粘着テープ
ダンボールを組み立てるために使用します。
ダンボールの補強にも使用します。ダンボールは使っているうちにふにゃふにゃになることがあるので、底面や側面を適度に補強するのがよいと思います。
すのこ
ダンボールの底面と同サイズくらいのものをホームセンターで購入し、ダンボールの下に敷いています。すのこでなくても、ダンボールの底を水気から守り、通気性を確保できるものであればなんでもよいです。プラスチック製のかごを裏返して台にしている人もいました。
古新聞紙
ダンボールの底に敷きます。適度に水分を吸収してくれてダンボールが朽ちるのを緩和する効果を期待しています。
不織布
虫よけカバーとして使います。小さな虫やコバエの侵入を防ぐことができます。私は、コバエの幼虫や線虫のような虫が苦手なので、できるだけ発生させないように工夫しています。虫が気にならない人は必要ないかもしれません。
不織布は100円ショップで購入できます。スーツなどクリーニングが返却されたときの袋にも大きな不織布がついていることがあり、ときどき使っています。
基材(ピートモス、燻炭)
ピートモスは苔類が長い時間かけて堆積してできた泥炭で、保水性があり、土壌改良剤などに使われることが多く、コンポストの基材としてよく使われます。
失敗が少ないので私はこれを使いますが、地下資源を採掘している点は気になっており、代わりになるものがあれば今後見直したいと思っています。
燻炭はもみ殻を蒸し焼きしたものです。臭気を吸着したり、水分調整したり、基材が酸性に偏るのを防ぐ効果があるといわれています。
ピートモスと燻炭を3:2程度で混ぜて基材にします。
120サイズのダンボールの容量は45Lです。上部に適度な空間を残していた方が混合しやすいので、30L程度を基材の総量と考えます。そうすると、ピートモス18L、燻炭12Lが目安ですが、混合比は厳密でなくてもよいです。肌感覚として燻炭が多めの方が成功しやすいと思います。
米ぬか
米ぬかは2つの目的で使っています。
1つは、新しい基材を使い始めたときの微生物定着のためです。
2つは、時々基材の温度を上げるためです。詳しくは後述します。
水
基材に適度に水分を与えるために使用します。
基材の準備
ダンボールを組み立て、そこに新聞紙を敷いてピートモスと燻炭を投入します。基材のほこりが出ない程度に水をくわえれば準備完了です。
水分量の感覚が最初はわかりにくいと思います。
基材のほこりが出ない程度であれば十分です。手で基材を握りつぶしたときに水分ができるようであれば多すぎです。
最初に何を入れか
すぐに生ごみを入れたくなりますが、ちょっと我慢しましょう。いきなり生ごみを入れても、微生物が少ない間は期待ほど分解が進まず、悪臭を放つことがあります。
まずは米ぬかを数百グラムれ、1週間くらい放置しておくのがよいと思います。表面に白いカビが生えてきたら微生物が増えてきた証拠です。ある日突然温度上昇すると思います。一度でも40~50℃に到達すれば生ごみを投入しても大丈夫です。
投入できる生ごみ
我が家がよく処理するのは、コーヒー豆のかす、お茶殻、柑橘類の皮、魚のアラ(内臓とか)、野菜くずです。おかげで生ごみの量が大きく減っています。
他方、塩分が多いものは微生物は苦手です。煮物やカレーの残りものには塩分がたくさん含まれているので基本的に投入しない方が無難です。
重宝しているのは、揚げ物の廃油です。以前は薬剤を購入して固めて燃えるゴミとして処分していましたが、今はコンポストに投入しています。廃油を入れると微生物は大喜びして基材の温度を高めてくれます。
また夏になるとスイカの皮の処分にとても便利です。やや小さめにカットし、汁とともにコンポストに放り込めば数日で消えてなくなってしまいます。
適度な温度上げ
温度が低いと分解が進行しにくいです。
また、虫が発生しやすくなります。
そこで私は、時々米ぬかや揚げ物の油を投入しています。これらを投入すると、半日くらいでコンポストの温度は50℃を上回り、苦手な虫がいなくなるので、とてもありがたいです。
50℃を超えると微生物が死なないか心配になりますが、大丈夫です。基材全体が高温になるわけではありませんし、一部の微生物は耐高温化するようです。
温度を高く維持する方法は次の記事をご覧ください
虫の侵入を許してしまったらどんなことになるか。。。失敗例です↓
基材の寿命
生ごみの分解速度が低下したり、温度上昇しにくくなってきたら、そろそろ基材の交換時期です。私はあまり多くのごみを入れず、低負荷で運用しているので、半年程度で基材交換をしています。一般的には3~4か月で交換することが多いようです。
1/4~1/3の基材を残し、他を新品に入れれば続けてスムーズにごみ処理を継続することができます。
堆肥化
取り出した基材は、堆肥として使用できます。使用済み基材に適度に水分を与えながら数か月間熟成し黒色に変色してくれば大丈夫と言われていますが、私は取り出し直後に畑に漉き込むことが多いです。畑の土の量に比べて、コンポストの堆肥の量はせいぜい15Lですので、時間をかける必要ないと独断で判断しています。プランターや植木鉢で、そのまま用土として使う場合はしっかりと熟成させましょう。
ダンボールの寿命
私は3~4か月で交換しています。底に穴が開いてしまい、放置できなくなってしまうためです。底の方には水分がたまりやすくダンボールが劣化しやすいのと、微生物がダンボールを含めて分解してしまうためと考えています。そうなれば新品のダンボールに交換しましょう。
厚みのあるダンボールを使えば寿命は延びますが、2倍に伸びることはないです。
まとめ
ダンボールコンポストを成功させる方法をご紹介しました。
ダンボールコンポストは生ごみ処理機としてとても便利です。
ダンボールコンポストは生ごみを減らし、ごみを出す煩わしさや、生ごみ特有のいやな臭気から解放されます。
畑やプランター用の土が簡単に作れます。
生ごみが減ることで、焼却場の負荷を減らし、ごみを燃やす燃料が減ることで二酸化炭素排出量が減るという社会的なメリットもあります。
主要な道具と資材の購入は下をご参考ください。
ぜひ楽しんでください。