二酸化炭素を地面や海底に埋める技術(CCS)って知ってる?

気候変動

CCS(シーシーエス)と呼ばれる技術があります。CCSとは、「Carbon dioxide Capture and Storage」をの頭文字をとったもので、「二酸化炭素回収・貯留」技術を意味します。発電所や化学工場などから排出されたCO2を集め、地中深くに貯留・圧入するというものです。

カーボンニュートラルを実現するための切り札

すでに世界の合計で年間4000万トン(*)の二酸化炭素を貯留するCCS設備が存在しますし、今後もますます増えていく計画です。(*世界のCCSの動向 2020年版)

日本でも苫小牧で実証試験が行われ合計30万トンの二酸化炭素が地下に貯留されました。カーボンニュートラルを実現するための切り札として、その普及が熱心に議論されています。

持続可能な技術ではない

一方で、CCSは、地下から化石資源を掘って、モノを作って、その時に発生する二酸化炭素を埋めるという一方通行の技術です。化石資源の埋蔵量は有限、二酸化炭素を貯留できる場所も有限であることを考えると、数十年は大丈夫でしょうが、感覚的にせいぜい百年しか使えないのではないでしょうか。持続可能とは言えない技術です。

期待される貯留量は膨大で、貯留できる能力を超えている

世界の二酸化炭素排出量は約年間340億トンです。一方で海と植物が吸収してくれる二酸化炭素量は30億トンくらいです。今後カーボンニュートラルを目指すにおいて、二酸化炭素排出量をゼロにする必要はなく、30億トンくらいに抑制できれば自然界の吸収力とバランスするのに、それができないからCCSが必要と言っています。つまり、自然界の吸収力と同等かそれ以上をCCSに求めているということです。前述のとおり、世界には4000万tの二酸化炭素化回収設備がありますので、100倍くらいに増強すれば回収可能なのかもしれませんが、そんなことができるか、やや疑問に思います。


否定的なこというのは好みじゃないけどCCSに関してはどうしても無理があるように思います。
CCSするよりも二酸化炭素の排出をいかに抑制するかを考えた方がよさそうです。

リサイクルで物質を循環させ、資源とエネルギーの使用量をほどほどにして、二酸化炭素の排出量を海と植物が吸収してくれる範囲でバランスさせるだけだとだめなのか?

物質とエネルギーを大量消費し続け、モクモクと二酸化炭素を排出させて、臭いものに蓋をするように地中に埋めるという考え方は、どこか違う気がします。

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